職人File Vol.7 「次の人が良い仕事ができるように」
サイディング・防水工事 岡本久裕
年齢:39歳
19歳から父の元で修業を始めた岡本氏。手に職をつけ、磨き上げてきた。
その後独立し、自分の会社「岡本外装」を立ち上げた。
外装の仕事の魅力は、なんといっても家が家らしい形になっていくこと。
四角い長方形の家なら作業もやりやすいが、凝った形の家になると、腕がものをいう。
美しく堅牢な外壁に仕上げることが岡本氏の仕事だ。
内外ともに塗り壁が標準仕様となっているタイセイホームの現場では、
下地用のパネルを貼るのが主な仕事。表からは見えない部分で、仕事の跡は残らない。
しかし、左官によい壁を塗ってもらうために、「しっかりと妥協のない仕事をする」と決めている。
作業をするのは、若手の職人と岡本氏の二人。
彼が切ったパネルを岡本氏が手際よく貼っていく。あうんの呼吸で作業が進む。
サイズを測る、切る、貼るという工程は、どれも誤差なく進めなくてはならない作業。
緻密な仕事をするために、コミュニケーションを大事にしている。
「一番は、丁寧にやること」。静かな口調に力がこもる。
また、サイディングは新しい材料や工法が次々に登場するため、勉強も欠かせない。
メーカーから資料を取り寄せたり、インターネットで調べたり、
コツコツと勉強を重ね、経験を積んでいくことが大事だと考えている。
20代、仕事をやり始めた頃は、一日の仕事を粛々とこなすのが日課だったという岡本氏。
阪神大震災を機に、「家をつくる」ということの重みを知った。
駆けつけた被災地の現場では、家をなくし、元気をなくした人がたくさんいた。
この家に住む人の顔を思い浮かべ、一日でも早く仕上げたいと昼夜なく働いた。
今でもやはり、お客様の笑顔がやりがいになっている。
喜んでもらえる家をつくるために、長く住んでもらえる家をつくるために、
確実な仕事をしたいという岡本氏。
職人の腕とセンス、心意気が光る。