職人File Vol.5 「パッと点く、達成感」
電気工事士 笹岡淳也
年齢:39歳
高校を卒業し、父の会社に入り後を継いだ。
父の背中を見続けてきた電気工事の仕事。20年あまりの経験を積み、
今はその会社の柱となって県内で多数の現場を手がける。
住宅の電気工事が主で、建設工事をするための電気を引くところから、
照明器具の取り付け・調整まで、約半年間かけて1戸の家を仕上げる。
最後に電気を通し、パッと電灯が点ることが喜び。達成感を得られる瞬間だ。
パッと点いて当たり前の電気だが、「時には失敗もある」と笹岡氏。
器具から一つ一つ経路を辿り、原因を突き止め、わずかな妥協もなく仕上げていく。
電気は、なくてはならない便利なものであると同時に、
目に見えない怖いものでもある。
気の緩んだ工事は火事を招く恐れもあるため、
チェックにチェックを重ね、完璧な状態での引き渡しが鉄則だ。
オール電化の家が増え、太陽光発電も増加する中、1軒あたりで行う電気工事の仕事も増えてきた。
LEDの発達や、電気器具や設備の進化によって工事の内容も変わり、
施主にとっては費用の負担も大きくなるため、日々勉強することも必要だ。
タイセイホームでは電気・空調設備の設計は自社スタッフの設計士が行っているが、
他の工務店ではすべて電気工事業者に任されることもある。
暮らしやすさを一番に分電と配線を考えるが、
女性の目線で考えるタイセイホームの設計には手本とするところも多いという。
また逆に、施主の意見を基にして設計士が描いた図面に、
電気工事のエキスパートとしての意見を言うこともある。
家の仕上がりが近づく頃、さまざまな器具の取り付けを行う。
気をつけているのは、家に傷をつけないこと。
大工が手がけた躯体はもちろん、ぬり壁、床、建具など、職人たちが一生懸命作り上げたもの。
昔ならささいなことで棟梁にどやされたが、今はそんな風潮もなく、
「仲間の仕事を台無しにするわけにはいかん」とお互いの仕事を認め合い、
大事にしあっている。チームでものづくりこそ、タイセイホームの良さでもある。
地鎮祭から参加し、最後のお引渡し式まで出席するという笹岡氏。
途中何度か施主と顔を合わせることもあるが、
最後に涙を浮かべて自分の城を喜ぶ施主を見るのは感極まるほど。
次の仕事への大きな励みにもなっている。