職人File Vol.8 「長いお付き合いができる仕事を」
クロス工事 国本達弘さん
年齢:43歳
小さい頃から手先が器用で、図工が大好きだったという国本達弘氏。
建築業の会社に勤めたが、自分で施工を手掛ける職人になりたいと、27歳で内装の仕事に就いた。
親方は厳しかったが、一生懸命仕事を覚え、2年で独立した。
タイセイホームの家を手掛けて、6年あまり。
ここ数年で壁は塗り壁が標準となり、クロスは天井のみとなった。
しかし、家に対する思いと丁寧な仕事は変わらない。
天井も壁面も、ボードのビス穴をパテで埋め、磨きをかけてざらつきを取るのは国本氏の仕事。
「お客さんに喜んでいただくために、左官さんにもいい仕事をしてもらいたい」と気持ちを込める。
仕上げの仕事は、家が家らしくなる重要な工程。
クロスを張ると、見違えるように美しくなるのがやりがい。
ここまで建込をしてきた大工たちにも「きれいにやってくれるきうれしい」と言葉をかけられることも力になる。
完成が近づき、「思った以上の家ができて満足です!」という施主の声を聞くのが何よりも喜びだ。
クロスを張る仕事は、糊付けの機械と国本さんの腕一本。
均等に糊を付けたクロスを、真上に掲げて張ってゆく。
ブラシで表面をなでて空気を抜き、ローラーをかけて密着。
照明器具を付ける穴を開け、最後に余分な部分を切り取る。
天井を仰ぎ見る姿勢が続くが、「慣れたらしんどうない」と、軽やかなリズムで仕事が続く。
ラジオを聴きながら、一人黙々と仕事をこなす国本氏。
自分の段取り、自分のペースで張ってゆく。1軒を仕上げるには、平均7~8日。
台風でも夜間でもクロスは張れるが、そこまでの工事は天候次第。
工期のずれを避けることはできず、仕事が重なるときには残業もこなす。
夏場は蚊の襲来にも悩まされつつ、糊の乾燥が速いのでグズグズしてはいられない。
動けば、吹き出る汗が目にしみる。苦労もあるが、好きで選んだ仕事。嫌になることはないという。
汚れや剥がれのケア、張り替えなどのアフターフォローも積極的に行う国本氏。
施主様へのメッセージを預かった。
「お仕事をいただき、ありがとうございます。
アフターフォローしていきますので、今後とも長いお付き合いをお願いいたします!」